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変えられないことを受容し、変えられることを変える勇気を持つこと-レジリエンスを築く方法

皆様、こんにちは。

レジリエンス研修講師ポジティブ心理学コーチ、iEP認定MBAエグゼクティブコーチ®の松岡孝敬です。

今日も、ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。

連日、メディアはCOVID-19の感染の恐怖をことさら煽っていますね。先日、クライアント企業様との打ち合わせの中で、私が商用で近々上京すると伝えると、先方の社長から、「感染者が急増し、緊急事態宣言下の東京に行かれて大丈夫ですか?」とご心配いただくお言葉をありがたくいただきました。

お言葉自体、とても嬉しく思いましたが、メディアによる恐怖の植え付けがここまで徹底し、浸透しているかと感じ、暗澹たる気持ちになりました。と同時に事実を全く報じず都合に合わせて歪曲して報じるメディア、自分たちの無策ぶりを棚に上げて飲食店をやり玉にあげ、挙げ句、罰則規定まで設けようとする政府や日本医師会、専門家委員会に対して、扁桃体が大爆発するくらい暴走しかかっていますが、何とかマインドフルネスを保ち、状況を冷静に見ています。

政府や日本医師会、テレビを始めとしたメディアの報道はどうもおかしいと思いだした人がどんどん増えていったせいか、活動自粛もされていないようですし、SNSや良識あるさまざまな媒体を通じて、状況をできるだけ正確に報じる動きがあるようです。

COVID-19の感染拡大に対する私のとらえ方や見方については、元厚生労働省の医系技官で医師の木村盛世さんの主張とほぼ同じです。また、週刊新潮も、政府や日本医師会、専門家委員会の方針に異論を唱える論陣を張っています。全面的に支持はできませんが、論旨は通って妥当だと思います。詳しくは、下記サイトをご参照ください。

木村盛世さんの主張に関する記事「国や医師会に憤りを感じる。このままでは医療崩壊だけでなく“居酒屋崩壊”だ」(2021年1月6日 AERA TIMES

医師、保健所から「コロナをインフルと同じ5類指定に」という悲鳴 声を大にして言えない理由(デイリー新潮 2021年1月8日)

さて前置きが長くなりました。レジリエンスを消耗させ、モチベーションを下げる話題はこの辺にしておきましょう。

受容すること=許すことではない

今回のブログでは、前回の予告通り、アメリカ心理学協会が提唱するレジリエンスを築く方法の1つ、「変えられない状況を受容する」を取り上げ、記したいと思います。

企業でのリーダーシップ研修や、経営者様へのエグゼクティブコーチングの際、「部下やスタッフの失敗をことさら叱責することはせず、まずは失敗を受容してください」とお伝えすることがあります。すると、とある経営者から、「そんな!部下の失敗を手放しで許すわけにはいかないでしょう!会社に損害を出したわけだし、同じ失敗をしないようにしっかり注意しなければ!」と気色ばんで怒られてしまいました。

この経営者は、「受容する」ことを「手放しで許す」と同じ意味だと勘違いされたのではないかと思います。状況(部下の失敗のような)を受容することは、状況を許すことではありません。では、受容するとはどういうことなのでしょうか?

心理学での「受容」とは、「置かれた現実の状況について、変化や抵抗しようとせずに、その過程や状況を理解しようとする姿勢、ありよう」を意味します。

つまり「受容」とは、「今、置かれた状況を許容するでもなく拒絶するでもなく、楽観するでもなく悲観するでもなく、ありのままに見つめ、とらえ、理解すること」を意味します。自分自身の「信念メガネ」という価値観を通して状況を見るのではなく、とらえるのではなく、意味づけを排除して、ありのままに状況をみることを心理学的には「受容」すると解釈してください。マインドフルネスとかなり意味が似ていますね。

「変えられない状況を受容する」の深い意味1-変えられないことと変えることを見極める

レジリエンスを築く方法としての「変えられない状況を受容する」には、実は深い意味が隠されていると私は解釈しています。

深い意味の1つは、「変えられないことと変えられることを見極める」ことです。

「変えられない状況を受容する」には、まず前提として、状況を冷静に把握し、「変えられない状況と変えることができる状況」を見極める、分析する必要があります。なぜなら、「変えられないこと」であるにも関わらず、「変えることができること」と思い込み、変化を試みると、徒労に終わり、ネガティブ感情が蓄積し、レジリエンスが消耗するからです。逆もしかりで、「変えることができること」であるにも関わらず、「変えられないこと」なんだと思いこんでしまうと、状況を好転させる努力を怠り、他責による不満が充満してしまいます。結果、やはりレジリエンスが衰退してきますね。

「変えられない状況を受容する」の深い意味2-変えられないことには何もしない

「変えられない状況を受容する」の深い意味には、「変えられないことには何もしない、抗わない、何の感情も抱かない」こともあります。

変えられないことと変えることができることを見極め、分析したら、変えられないことに対しては何もせず、抗わず、何の感情も抱かないようにすることです。だって、どんなに変えようと思っても変えることはできないのですから。

「変えられないこと」の代表としては、過去、他人、未来が挙げられます。よくテレビのCMで「未来を変える!」なんてコピーがありますが、未来をその人が変えることはできないと思います。どんなに理想の未来へと変えようと思っても、コントロールできない不測の事態が起こってしまえば、かないません。まさしく未来は、変えることのできない、コントロールできないものなのです。

過去や他人も、未来と同じように人が変えることができないこと、コントロールできないことです。過去を変えるなんて、タイムマシンができれば可能かもしれませんし、タイムトラベラーの超能力を持っていれば可能ですが、タイムマシンはまだまだ発明されていないし、タイムトラベルの能力を持っている人に私はまだお会いしたことがありません。

ビジネスコーチングをしていると、「あの人の行動を変えたいんです。」とか、「私は部下の行動を変えた」とかおっしゃる人がいます。私から言わせれば、それはあなたが変えたのではなく、変えようと考え実行したのは、その人なんですよと解釈します。もちろんその人の助言や命令に影響を受けたのかもしれませんが、行動を変えるように意思決定したのは、その人本人に違いありません。

過去、未来、他者を変化できると考える人は、本来変えられない過去、未来、他人をコントロールしたいという強い支配欲求があるのかもしれません。支配、コントロールへの執着は、その人の認知を歪ませ、レジリエンスをおそろしく衰退させます。

「変えられない状況を受容する」の深い意味3-変えられることを変える勇気を発揮する

「変えられない状況を受容する」の3番目の深い意味には、「変えられることを変える勇気を発揮する」ことがあると思います。

変えられないことの代表として過去、未来、他人と記しました。では、普遍的に変えられることとは何か?それは、自分と現在です。

さらに付け加えれば、自分の(状況に対する)捉え方、解釈であり、現在の(自分の)行動です。これらは、今すぐにでも変えることができます。

過去の出来事は変えることはできません。誰しも思い出したくない過去、消し去りたい過去をお持ちではないかと思います。それらは決して変えることはできませんが、変えることができるとすれば、「過去の出来事に対する自分の捉え方、解釈」は変えることができます。

例えば、ワインを一人で2本以上も空けてしまい、泥酔して記憶の定かでないまま帰路につき、降車すべき駅を乗り過ごして終着駅で降り、最寄りのビジネスホテルやネットカフェで一夜を明かし、翌朝帰宅して妻からこっぴどく怒られた過去は、誰しも思い出したくない過去ですが、「ワインは人生を豊かにする飲み物だが、ときに家庭不和の原因にもなるので程よく飲まなければ。そんな苦い教訓を得られた良い思い出」と、過去の捉え方を変えることはできます。

未来も変えることはできませんが、理想の未来像を認知として脳に刻み込み、イメージとして未来像を変えることはできます。そして、理想の未来像の実現に向かって今、現在の自分の行動を変えることはできます。理想の未来像に向かって今・現在の行動をスモールステップで実現していくことが唯一、未来を現実化する方法だと思います。

他人は変えることはできませんが、他人に対する自分の捉え方、思い込みは変えることができます。また、他人に対する自分の思い込みを変え、他人に対する自分の行動(接し方、働きかけ)を変えれば、こちらの思いが通じ、他人の方から行動を変えることがあるかもしれません。アドラーは、他者に対するそのような行動を「勇気づけ」と表現していますが、私たちは、他者をコントロールしたり変えたりすることはできず、他者の勇気づけしか実はできないということを理解しなければなりません。

変えられることを変えるには、勇気が必要です。勇気がないと、変えられるものなのに自分で何も変えようとせず、勇気が発揮できないことを本来「変えられないもの」の責任にしようとすることがあります。

「変えられない状況を受容する」には、変えられることを変えましょう。変えられることを変える勇気を発揮しましょうという積極的な深い意味が込められていると私は解釈しています。

ニーバーの祈り

「変えられない状況を受容する」に込められている3つの深い意味をご理解いただけましたでしょうか?

その深い意味と同じ内容を表現している祈りの言葉があります。神学者、ラインホルド・ニーバーが作ったとされるニーバーの祈りです。ここで紹介しましょう。

私たちに変えられないものを受け入れる心の平穏を与えて下さい。
変えることのできるものを変える勇気を与えて下さい。
そして、変えることのできるものとできないものを見分ける賢さを与えて下さい。

レジリエンスを築く方法としての「変えられない状況を受容する」について、私なりに解釈した深い意味を記しました。ご理解いただけましたでしょうか?

「変えられない状況を受容する」は、今、現在の日本が置かれている状況をとらえるのにとても参考になると思いますので、次回のブログもこのテーマで記したいと思います。ただし、ブログのテーマは、諸事情(多くは筆者の気まぐれ)により、変更になる場合もございます。予めご了承くださいませ。

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