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意義ある目的の見つけ方-レジリエンス資源を蓄積する方法4

皆様、こんにちは。

レジリエンス研修講師ポジティブ心理学コーチ、iEP認定MBAエグゼクティブコーチ®の松岡孝敬です。

今日も、ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。

COVID-19の感染拡大第3波が収まらないとの報道を受け、政府は1都3県への緊急事態宣言を東海、関西、福岡にも拡大して発したようですね。

PCR検査の陽性が、COVID-19の感染と同じと報じていることに、私は強く疑念を持っており、さらにコロナワクチンの効果を過大評価し、コロナワクチンの早期普及が感染拡大を防止する唯一の手段だという、コロナワクチン救世主論、コロナワクチン待望論を冷めた目で見る私は、狼狽し、迷走するマスコミや政府の現状を、可能な限りマインドフルネスに、ありのままに見るようにしています。

とはいえ、大衆迎合(ポピュリズム)に走り、戦略眼が全くない政府のリーダーの振る舞いには、扁桃体が爆発するほどの気持ちが湧きますが、レジリエンストレーナーらしく、扁桃体の暴走を前頭前野の働きで抑え、バイアスをかけることなく、客観的事実を見極め、自分の今、できることを粛々と行い、状況を克服していこうと思っています。

今回のブログは、前回の続きで、意義ある目的の立て方、作り方を記します。

目的を持たないことが目的化している人たち

コーチングセッションを行なっていると、ときおり、「私、目的や目標がないんですが、目的って持たないといけないんですか?」とおっしゃるクライアントに出会うことがあります。

そのとき私は、その方に対して、「たとえば、今年、あるいは今月、こうなりたいという希望はありますか?」とか、「将来、こんな風になりたいという理想の状態はありますか?」と尋ねるようにします。

クライアントが、「はい。ありますよ」と答えれば、「その希望や理想が目的であり、目標ではないですか。あなたの目標、ゴールだと思いますよ」とお答えするようになります。

人によっては、私の質問にも、「いえ、私は、特にこうなりたいという将来の理想はないんですよ。ただ平凡に安らかに暮らしたいだけなんです」と答える方がいらっしゃいます。私は、その回答にも、「それがあなたの生きる目的ではないですか」と答えます。

以前のブログで、アドラー目的論について記しました。覚えていらっしゃいますでしょうか?

2021.01.04ブログ 新年 明けましておめでとうございます!

アドラーは、「すべての人間は、自分の目的に向かって生きていく」という目的論を唱えています。その「自分の目的」とは、その人自身が顕在的に、あるいは潜在的に抱いている「なりたい理想の自分になる」というものです。

コーチングセッションで、自分の希望や理想を持っているにもかかわらず、それが目的と気づいていない人は、「目的を持っているが、その目的を意識していない人、目的意識を持っていない人」といえるでしょう。「目的はなく、ただ安逸に暮らしたいだけ」という方は、「特別な目的を持たない」ことが目的化している人であり、やはり目的意識を持っていない人といえるでしょう。

そのように考えると、目的意識を持つことが、目的を達成する行動の最初の一歩ですし、幸福度とレジリエンスを高める最初の一歩と思えます。

なりたい理想の自分を利他的にとらえてみる-意義ある目的を作る方法1

目的意識の高い方、日ごろから目標を設定して行動している方には、目的や目標を持たないという方を不思議に思うかもしれません。

目的を作ることはとてもシンプルです。「こうなりたい。いや、なる!」と決意すれば良いだけですから。「なりたい理想の自分」を意識し、思い描いたり、言葉に出したり、文章や絵を描いて可視化したりすれば良いだけです。

その「なりたい理想の自分」から、意義ある目的を作る方法も、とてもシンプルです。「なりたい理想の自分」になると、理想が実現すると、あるいは、実現する過程は、どのような人たちに役立つか、貢献するかという視点からとらえ直せばよいだけです。

「そうは言っても、自分の理想の状態は、他者に何も与えないし、役立たないよ」とお考えになるかもしれませんが、そんなことはなく、全ての人間の目的に向かった行動は、他者にさまざまな影響を与え、役立っています。そのような視点で自分の目的に向かった行動をとらえていないから、気づかないだけではないかと私は思います。

話は少し変わり、グリット(やり抜く力)の提唱者、アンジェラ・ダックワースは、グリットを高める4つのステップ、4つの要素として、「興味」、「練習」、「目的」、「希望」を挙げています。そして、グリットを高める最初のステップとして「興味」は特に重要と著書に記しています。

グリットを高めるのに「興味」がなぜ重要なのか?なぜなら、人は、自分の興味を持つこと、心の底から大好きなことでなければ継続して行うことができず、情熱を持ち続けることができないからです。ですので、グリットを高めるには、そして意義ある目的を立てるには、最初に、「自分の心の底から大好きなことは何だろう?」、「自分の最も興味あることは何だろう?」、「自分は何をしているときが最もワクワクするだろう?」と問いかけ、「それは自分が本当に大切に思っていることだろうか?」、「自分の価値観や大事な信念と合致しているだろうか?」と自問し、本当に自分の興味あること、大好きなことを見つけることが大事です。

自分の興味あること、大好きなことが多くて1つに絞れない、本当に心の底から興味あることはないという方もいらっしゃるかもしれません。幼少期の頃は、そうだったのではないかと思います。だからこそ、子どもには、失敗を恐れず興味の持つことをどんどん行わさせることが良いと思います。そこから、自分自身で真に自分のやりたいこと、興味あることが見つかってくるはずです。

子どもに限らず、大人の場合も、実際に興味のあることを多く行って、試して、少し時間を置いて、本当に自分のやりたいこと、心の底から好きなこと、興味を持ち続けることを見出せば、「なりたい理想の自分」が見えてくると思います。描くことができると思います。

「なりたい理想の自分」を描くことができたら、その理想の自分が実現したとき、どのような他者が喜び、幸福になるのか想像してみてください。そうすれば、他者に役立ち、貢献する「なりたい理想の自分」、つまり「意義ある目的」が作られます。

グリットが極めて高く、結果、レジリエンスも高い人は、「なりたい理想の自分」という目的を描いている段階で、他者貢献のことを強力に意識しています。現実化して脳に刻み込んでいます。

例えば、サッカーの本田圭佑さんの小学校の卒業文集は有名です。彼は、文集の中に、「ぼくは大人になったら 世界一のサッカー選手になりたいと言うよりなる」という「なりたい理想の自分」を明確に記したのち、「世界一になったら 大金持ちになって親孝行する」とか、「プーマとけいやくしてスパイクやジャンバーを作り 世界中の人がこの僕が作ったスパイクやジャンバーを買って行ってくれることを夢みている」と言うように、「なりたい理想の自分」が実現したら、両親やサッカーファンにどのように貢献するかを具体的に記しています。小学生の頃から「意義ある目的」を意識しているのがわかりますよね。

フィギュアスケートの羽生結弦さんもグリットとレジリエンスが強いアスリートで有名ですが、彼の小学校の卒業文集でも、「ぼくはこの大会で「観客に感謝したい」という気持ちを学びました。これからもスケートを続けていろいろなことを学んでいきたいです」と、スケートをすることで観客に感謝するという利他的な目的を描いています。

本田圭佑さんと羽生結弦さんの例からも、「意義ある目的」を掲げ、目的意識を持つことが、レジリエンス資源となり、レジリエンスを高めることがお判りになるかと思います。

突き抜けた理想の目的を掲げる-意義ある目的を作る方法2

意義ある目的を作るもう1つの方法をご紹介しますと、それはポジティブアプローチをとる方法です。

目標達成、目的達成のアプローチ法には、不具合や問題点、エラーを発見し、その問題点やエラーを修復、解決して目標を達成するギャップアプローチと、将来目指したい理想の状態を掲げ、それを実現するにはどのような行動をとるべきか逆算してアクションプランを作り実行するポジティブアプローチがあります。「意義ある目的」も、ポジティブアプローチで設定することができます。

将来目指したい理想の状態、理想の未来像を想像して描くとき、大事なことは、自分の固定観念からくる心の障害(バリアー)を取り外して、突き抜けた理想像を描くことが大事です。自分の固定観念からくる心の障害のことを、スコトーマ(心理的盲点)と呼びます。自分の理想の未来像を掲げ、「意義ある目的」を立てる際には、スコトーマを取っ外して、突き抜けた未来を掲げることが大事です。

「プロのサッカー選手になりたいけど、今からだったら年齢的に無理だよな」とか、「Amazonみたいなグローバル企業を経営したいけど、私はジェフ・ペゾスみたいに経営の才能がないから」というように、自分で限界を設けず、理想の未来像を描くときには、限界とスコトーマを突破することが大事です。「これは無理だよ」なんて考える必要はありません。心の片隅に少しでも、「やっぱり実現できないよな」なんて否定的な気持ちが表れれば、理想の未来像は実現できないでしょう。

そして、その突き抜けた理想の未来像を描いたら、それを現在進行形で実現しているとイメージし、それに向かったアクションプランを立てることが大事です。

ポジティブ心理学にも、この方法と似たような介入法があります。「最高の自分(At your best)」と呼ばれる介入法、ワークです。私は、レジリエンス研修で、このワークをよく実行します。どのようなワークかというと、将来、何もかも上手くいき、すべての望みがかなった状態を想像させ、それをペアワークで会話を通しながら、何もかも望みがかなった理想の未来像を膨らませ、現実化、可視化するワークです。

「最高の自分」は、セリグマンの研究結果から、楽観性が高まり、幸福度が長期にわたり継続的に高まり、抑うつ傾向が抑えられると実証されています。また、優先順位と目標との統合を助けてくれる効果もあります。

ほとんどのことはpossibleと知ること

「スコトーマを外せと言っても、私は今、70歳ですが、今からオリンピックで金メダルを取るという理想の未来像を描いても実現しないでしょう」という挑戦的な発言をされる方もなかにはいらっしゃいます。確かに、そのような理想の未来像を実現するのは、簡単ではないですが、捉え方を変えたりすれば不可能ではありません。不可能ではないということは可能であること、possibleということです。

映画「ゴッドファーザー2」のシーンで印象的な会話があります。とある大物ボスを暗殺する謀議のシーンなので不謹慎なのですが、紹介しましょう。

アルパチーノ演じるマイケル・コルレオーネが、大物ボス、ハイマン・ロスの暗殺を企てていたとき、ロバート・デュバル演じるファミリーの相談役・弁護士のトム・ヘーガンは、マイケルを諭すように忠告します。

「ロスはボディガードに24時間守られている。大統領を暗殺するよりも難しい。不可能だよ。マイケル、君はロスに勝ったんだから、もういいだろ」

マイケルは、果物をゆっくりとかじりながら、

「不可能? この世で最も確実なことは、人は死ぬってことだ」と話しながら、他の幹部に意見を求めます。意見を求められた幹部は、

「(ロスの暗殺は)簡単ではない。だが、可能性はある(Not easy,but possible)」

人を殺す相談なので、引用としてはふさわしくないかもしれませんが、要は、世の中のほとんどのことは、簡単ではない(Not easy)ですが、できないことはない、できる(Possible)のです。フランスの英雄、ナポレオンが言ったとされる名言、「余の辞書に不可能はない」は、ある意味、真理かもしれません。

自分のスコトーマを外せずに、突き抜けた理想の未来像を描けない人は、「簡単じゃないけど、なろうと思えばなんだってなれるよ」という気持ちで、「意義ある目的」を立ててみてください。

次回のブログでは、レジリエンスを構築する方法としての1つ、「変えられない状況を受容する」に関して記したいと思います。ただし、ブログのテーマは、諸事情(多くは筆者の気まぐれ)により、変更になる場合もございます。予めご了承くださいませ。

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