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レジリエンスとは何でしょうか?

目次

レジリエンスとは、人生の課題に対応する能力

レジリエンスは、自然治癒力、回復力、復元力

レジリエンスを強化することは、回復の備えをすること

レジリエンスは希望の扉

皆様、こんにちは。

レジリエンス研修講師、ポジティブ心理学コーチ、iEP認定MBAエグゼクティブコーチ®の松岡孝敬です。

今日も、ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。

株式会社ポジティビティは、、企業様向けレジリエンス研修、モチベーション向上研修の促進を強化するため、それに特化したご案内サイト、ランディングページを制作しました。ご覧いただければ幸いです。

株式会社ポジティビティ 企業向けレジリエンス研修・モチベーション向上研修ご案内ページ

今回のブログは、上記のサイトから配信しております。今後ともご愛読いただければ幸いです。

先日、とある企業でレジリエンス研修をさせていただいた際、「レジリエンスは、昨年のセンター試験でも出題されました。」とのお話を、研修担当の人材開発部の方が前説でお話しされていました。

調べてみると、2020年のセンター試験の国語の問題に取り上げられたようです。河野哲也さんの『境界の現象学』という評論を題材にした問題で、レジリエンスの意味について問う深い問題が出題されたみたいですね。

では、レジリエンスとは何か?改めてレジリエンスについて説いてみたいと思います。

レジリエンスとは、人生の課題に対応する能力

レジリエンスという概念は、元々は、ストレスとともに、物理学用語でした。

ストレスが「外力による歪み」を意味するのに対し、レジリエンスは、その反対の概念であり、力で、「外力による歪みを跳ね返す力」を意味します。つまり、弾性力、反発力といったものが、物理学でいうレジリエンスなのです。

Wikipediaによれば、心理学でのレジリエンスの定義は、『社会的ディスアドバンテージや、己に不利な状況において、そういった状況に自身のライフタスクを対応させる個人の能力』と記されています。

ライフタスクに対応される能力といった表現が、いかにも心理学的な定義ですよね。ライフタスクとは、オーストラリアの個人心理学者、アルフレッド・アドラーが唱えた概念で、「人生の中で常に直面し、対処を求められる課題」です。人生の課題とよく言われます。

アドラーは、人には重要な3つのライフタスクを持っていると説いています。その3つのライフタスクとは、仕事、交友、愛です。

これら3つのライフタスクは、全て他者との対人関係に集約されると、アドラーは説いています。つまり、仕事のライフタスクとは、仕事での対人関係の課題であり、交友のライフタスクとは、友人・知人、地域コミュニティなどでの対人関係の課題であり、愛のライフタスクとは、家族や配偶者との対人関係の課題ということなのです。

前述したレジリエンスの定義を、平たく記し直すと、

ストレスにさらされた状況において、対人関係を含めた人生の課題に対応し、適応する能力』と言えるかもしれません。

レジリエンスは、自然治癒力、回復力、復元力

物理学の「外力による歪みを跳ね返す力」が元になったレジリエンスは、心理学では、自然治癒力、回復力、復元力、逆境力、再起力と訳されることが多いです。私は、レジリエンス研修では、「心の回復力」と説明しています。「脆弱性(vulnerability)」の反対の概念とも考えられていますね。

レジリエンスは、今では広い概念として、さまざまなところで使われています。国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)は、国の政策として進められており、これは、災害などのディスアドバンテージに遭っても迅速に回復する国土創りを指します。

生態学でもレジリエンスは「(生態的)復元力」として使われています。これは、自然生態系が外力によって破壊されたり、部分的に平衡状態が崩れたとき、新たな平衡状態に戻る力、復元力を意味します。

レジリエンスを強化することは、回復の備えをすること

レジリエンスとは、私たち人が元々潜在的に持っているメンタル力なのですが、なぜ本来持っているメンタル力を、レジリエンス研修や、レジリエンス・トレーニングで強化しなければならないのでしょうか?

レジリエンスは生態学用語であることを踏まえ、人のレジリエンスを森林生態系のレジリエンス(復元力)に捉え直して説明しましょう。

森林は、生態学的には、長い時間の遷移を経て、優占種と、それらを支える植物、動物、菌類などの多様な種で構成された生態系を構成します。これを極相林(クライマックス)といいます。人間で言えば、自己中心性から脱却し、自立した20歳くらいの成人と考えてください。

極相に達した森林生態系は、変化の起こらない定常状態ではなく、優占種の自然倒壊による空間(ギャップ)ができたり、自然災害による土砂の流出、それによる森林の部分崩壊が起こったりします。常に大小さまざまな変化が起こっている状態です。

私たち人が、日常生活で大小さまざまなストレスにさらされているような状態を想像してください。森林生態系も、内外からさまざまなストレスにさらされ、その都度、そのストレスによる損傷を回復し、平衡状態に至るような変化が生じます。この平衡状態に戻る力こそが森林生態系の持つレジリエンス(復元力)です。

森林は、ときには大規模な山火事や、火山からの溶岩流出によって壊滅的な打撃を被ることがあります。優占種だけでなく、低木層、草本、土壌に至るまで流され、丸裸な土地に戻ってしまうような破壊が起こります。私たち人が、立ち直れないような逆境や試練、トラウマに遭遇した状態と同じようなものと想像してみてください。

そのような壊滅状態になっても、森林生態系は、500年以上もの長い時間をかけて、新たな森林生態系の平衡状態に戻ります。破壊前の元の状態には戻りませんが、構成種などはほぼ同じような新たな平衡状態に戻るのです。森林生態系のレジリエンスは、凄まじく力強いですよね。ただ、私たち人のレジリエンスも森林生態系のそれに負けないくらい力強いはずなのです。

壊滅状態に至っても平衡状態に戻る、森林生態系の力強いレジリエンスの源泉は、森林の土壌の保水力であったり、土壌に残る埋没種子であったり、あるいは、外部から移入する種子であったりします。そのような平衡状態に戻る森林資源が芽吹き、森林はたくましく、かつ、淡々と粛々と復活します。

私たち人も、立ち直れないような逆境や試練に遭遇したり、トラウマに悩まされたりしても、再起するレジリエンスを持っています。森林生態系の土壌や埋没種子のような、レジリエンスを発揮するために必要なレジリエンス資源が備わっています。

ところが、レジリエンスを意識しない人や、レジリエンスそのものの概念がない人、レジリエンスを活用する方法がわからない人の多くは、レジリエンスを発揮できないまま、逆境を克服できず、トラウマを長く引きずってしまう場合があります。

レジリエンス研修、レジリエンス・トレーニングは、そのような人にとって、逆境にさらされる前やストレスにあう前の平常状態でもレジリエンスを発揮する方法、日ごろからレジリエンスを強化する方法を身に付ける効果があります。また、どのようなひどい逆境に遭っても立ち直れるようなレジリエンス資源を蓄積する目的があります。

レジリエンスは希望の扉

森林生態系が持つような壊滅状態からでも復活する強力なレジリエンスを私たちが身に付けるにはレジリエンス研修は必要不可欠なのです。まるで、森林生態系に存在する希望の扉のように、レジリエンスは私たちの心に備え、いざというときにその扉を開いていつでも活用できるようにしておかなければなりません。

次回のブログは、レジリエンスを鍛える方法について、記していきます。

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